今日は12月号に掲載した
「アルツハイマー病をズバリ!!解説」を公開します。
~「アルツハイマー病」をズバリ!!解説~
「アルツハイマー病」は、今からおよそ100年前に進行性の記憶障害や妄想が現れ、55歳で亡くなった女性についてドイツのアルツハイマー博士が報告したことにより広く知られるようになりました。その後長い間、若くして発症したものを「アルツハイマー病」とし、高齢になってから発症する認知症とは区別されていました。現在は64歳までに発症した場合は「若年性アルツハイマー」、65歳以降に発症したものを「老年性アルツハイマー」等と区別しています。若年性アルツハイマーは50代に発症することが多いのですが、日本では28歳で発症した例も確認されています。若年性と老年性では現れる症状に大きな違いはありませんが、一般的に若年性の方が進行が速く、初期から後期までの期間が短いという特徴があります。
アルツハイマー病の原因はいまだに解明されていませんが、脳の神経細胞が死滅し脳が萎縮することによって知的能力が低下します。しかし、本来脳は年齢とともに萎縮するため、萎縮することが特別なことではありません。脳の委縮は老化現象であり、20~30歳代以降ですでに萎縮が始まっています。成人の脳の重さは通常約1400gありますが、アルツハイマー病を発症してから10年経過すると800gまで減少します。では、アルツハイマー病の脳はどうなっているかというと、脳内にあるたんぱく質の一種が分解されず蓄積されていることが大きな要因ではないかと考えられています。
脳は人が生きていくうえで最も大切な器官です。見る・聞く・触る・嗅ぐなどは目や耳、手足、鼻などの器官を使いますが、それが「何か」と認識するのは脳によって行われています。例えば、道端に花が咲いているとします。その花を目で見て、脳が「花」だと認識します。そして、その花を「綺麗」だと感じるのも脳が行っています。「花」だと認識するためには、脳の「記憶」を担当している「海馬」という部分が関係していますが、アルツハイマー病ではこの「海馬」がある脳の側頭葉内側に萎縮が認められます。アルツハイマー病で記憶障害がみられるのはこのためです。
近親者や親しい人がアルツハイマー病によって驚くような行動をしたり、自分のことを忘れてしまったりするのはとても悲しいことですが、アルツハイマー病は脳が委縮する病気です。萎縮することで、本来の脳の働きができなくなってしまうことでそのような行動を起こしてしまうのだという理解が大切です。
ズバリ!!
アルツハイマー病は脳が委縮する「病気」であり、
不可解な言動は
「病気」によって起こされる
今日はここまで。
小野田でした。 (@_@)/ずばり!